ファーストコンタクトはドラゴンクエストでもファイナルファンタジーでも、いわんやゲド戦記でも指輪物語でもなく、「モンスターメーカー」でした。
初めて触れたRPGであるところの「MOTHER」で「RPG」のおもしろさに感銘を受け、「自分でもつくってみたい!」と思っておったところ、「朝日小学生新聞」に広告が掲載されていた(やばい。歳がばれる)こういう本に出会ったのであります。
今見ても、ディアーネとルフィーアはかわいい。
「萌え」とかじゃなくて、サンリオのキャラクターみたいなキュートさがある。
「『モンスターメーカー』を例に、RPGカードゲームをつくってみよう!」という本で、まあ、はっきり言って小学生ごときに理解できる内容ではなく(今読んでみるとむちゃくちゃ面白いが、その紹介はまたいずれ)、しかも「僕のつくりたかったRPG」とは全く異なるものだったために、その後は「本棚の肥やし」となる憂き目を辿ったのですけど、ネタの取り入れ先なども事細かに記されており、どうも後に知る「ファンタジー」というジャンルがあるらしいということを認識。
人生初ラノベ。
それからしばらく経って、僕にとって「ファンタジー」の全てであったモンスターメーカーの小説があるらしい、と(いいからカードゲームをやれよ)これまた「朝日小学生新聞」で情報を得て、この世の全ての知が結集する場であった駅前の書店に赴くも、並ぶのは「フォーチュンクエスト」だの「スレイヤーズ」だのばかりで(やばい。歳がばれる)、「モンスターメーカー」などというものは書架に並んではおりませんでした。
母親より、「書店にない本は、注文すれば取り寄せてくれる」との情報を得て、危うく古紙回収に回されそうだった朝日小学生新聞からあらん限りの情報を集めてメモ帳に鉛筆で書き取り──ネットとかない旧世紀の話だからね?──いつも渋い顔をしていた書店の婆さんに発注。
約2週間のインターバルを経て、めでたく手にしたのが、「モンスターメーカー」生みの親である鈴木銀一郎氏による小説「ドラゴンライダー」です。
“ドラゴンを初めて見たのは何歳の時か、アイラは覚えていない。それほど幼いときのことなのだが、その光景だけは、いつでもはっきり思い出すことができた。
村はずれの野原で遊んで帰る途中のこと……
「ドラゴンだ」
後ろで、だれかが叫んだ。
振り返ると、遠くの山の上をドラゴンが翔んでいた。
ドラゴンは翼を広げ、水平に翔んでいた。その細長い胴の一部が夕日を反射して、キラリと黄金に光り、アイラの目を射た。
「まあ、きれい」
と、アイラは思わず声に出していた。”
その黒いのが「ドラゴン」らしい。
どうでしょう、奥さん、この臨場感。「ドラゴン」なんているはずもないのに、まるで目の前に、その姿が見えるかのようではないですか。
モンスターとか登場人物の名前に指輪物語あたりからの借用が激しすぎて、今となってはうっすらと拒否反応が出てこなくもないのですけど、これが全てだった小学生にはけっこう衝撃的な体験だったのですよ。
……とまあ、こんな「ファンタジーとの出会い」を経て、(あとはいろいろ複雑だからいいや)いまに至るというわけでした。すてきなオチとかは、とくにない。
……とまあ、こんな「ファンタジーとの出会い」を経て、(あとはいろいろ複雑だからいいや)いまに至るというわけでした。すてきなオチとかは、とくにない。
ただただ懐かしいw
返信削除九月姫!ああ、そんな名前でしたなぁ・・・。
そういえば、『ウルティマ・聖者への道』のノベライズがとても良かったのを思い出した。
懐かしいですよねー!1980年代後半のかほり。
削除あの頃のゲームのノベライズは、ドラクエ(1〜3がよかった)といいFF2(これは原作者の手によるものだった気が)といい、「ラノベ」の枠にくくるのがもったいないような良さがありますたね。