2019年7月16日火曜日

Chapter1:王都陥落

 『王都陥落』


   「黙示録」の「死」を彷彿させるメリアの兵団
   フレーニアの王都が攻められている


〇王都を臨む丘の上の砦


   小さな砦に押し寄せる異教の兵
   防御柵越しの攻防、守り手が優勢に見える
   
   防御柵の内側


兵1「キリがない……」

兵2「こんな街道から外れた砦になんて数だ」

兵1「王都はもっと酷いってことか?」

兵2「……」

兵1「……畜生!
  連中が異教徒を皆殺しにするってのは本当だったんだ!」

   画面スライド
   早い足取りの女騎士が兵を連れて歩いてくる

女騎士「搦め手は一掃できた!
   正面はどうか?」

兵「ついさっき ピタっと止んだ!
 例によって聖餐らしい」

女騎士「……昼まで 攻撃はないな」

   少年兵が駆けてくる

少年兵「キアラ!」

   キアラと呼ばれた女騎士、向き直る

少年兵「ミクシャがやられた!
   オーサが診てる!」

キアラ「すぐ行く!」


〇厩舎前(負傷兵が集められている小屋等)


   戸の前に老兵
   構わず中に入ろうとするキアラ
   呼び止める老兵

オーサ「……腹じゃ  長くは保たん」

キアラ「……」

   キアラ、中に入る
   藁の上に一人の兵(ミクシャ)が横たわっている

ミクシャ「キアラ……すまねぇ
    あんたの隊で死人出しちまうなんてなぁ……」

キアラ「あんまり喋るな」

ミクシャ「ホントすまねぇ……!
    キアラにゃ 村ぁ助けてもらったのにッ
    オレが こんな……!」

   ミクシャ、動こうとする

キアラ「ミクシャ……!
   やめて!
   動かないで!」

   キアラ、近づき止めようとする

ミクシャ「俺 もっと役に立ちたかった……!
    いやだ……!
       こんな……っ
    うぐっ」

キアラ「重傷だぞ!
   じっとして!」

   ミクシャ、動くのをやめる
   兵士が飛び込んでくる
   キアラ、兵士に向き直る

兵「キアラ!
 バイア・フレーの方角で煙が!」

キアラ「王都が⁉」

   場面転換


〇高台


   オーサと少年兵(ディーン)

オーサ「見えるか?ディーン」

ディーン「……
    ……
    ……火はお城からだ……
    ……一番高い塔……!」

オーサ「……!」

   キアラがやって来る

キアラ「オーサ!」

オーサ「主塔じゃ!」

キアラ「!
   ディーン!間違いないの⁉」

ディーン「本当だ!
    あれは 見間違えない!」
   
   振り返り一歩進む

ディーン「くそ!」

キアラ「皆を集めろ! 急げ‼」


   時間経過
   集合


キアラ「詳しい状況は分からないけど王都から火の手が見える
   かなり激しい攻撃に遭っているんだと思う

   王都が攻撃を受けている以上この砦を守る意味はない!
   私たちはこの砦を棄ててバイア・フレーに向かう!」

兵たち「おおっ!」

兵士1「正面はメリア教徒どもで溢れてるぞ⁉」

キアラ「今なら搦め手が手薄になってる
   ……一旦 西に出て
   敵から遠ざかってからエイディミール湖を目指そう!
   昼までは攻撃もないはずだ!

   エイディミール湖まで行けばきっと王都の状況も分かる!」

   兵たち納得するが

兵士2「……ミクシャは?
    ……あいつ 置いてくのか……?」

   兵たちざわめく

キアラ「置いていくものか!」
   
     ざわめき落ち着く

キアラ「置いていくな!
   引きずってでも連れて行くぞ!
   誰も死なせない!
   誰も……!

   ……急げ! 日暮れまでに湖畔を目指す!」

   兵士散る

   キアラも動き出し場面転換



  『アルディン』



〇フレーニア城 東の正門


   城壁を乗り越えたメリア兵により内より門が開かれる

 
皇太子ヨシュア「城壁を越えたのは少数だ!
       門の中には一兵も入れるな!
       押し返して再び門を閉ざすのだ!」

   前方で次々となぎ倒されるフレーニア兵
   ローブの騎士を先頭に進んでくるメリア兵

ヨシュア「何事か⁉」

守備兵「先頭の騎士が恐るべき強さで近づく兵がことごとく倒されています!」

ヨシュア「俺が出る!」

   進み出るヨシュア

ヨシュア「我はフレーニア王国皇太子ヨシュア!
    名乗れ!侵略者よ!」

メリア騎士「……我が名はアルディン
     邪教徒にあだなす者なり……」

ヨシュア「ほざくか!」

   突撃、剣戟の音
   ヨシュア横に倒れる

ヨシュア「ぐ……お?
    俺が 一合もたんだと……
    バケモノ め……」

   一瞥することもなく進むアルディン
   恐れをなして引くフレーニア守備兵


   場面転換



〇王の間


   玉座の間、王、宰相、文官、近衛兵
   
   慌しく兵が入室
   王の数歩前で止まる


フレーニア王ヨーゼフ「……何か」

兵士A「ハッ……
   ……」

    躊躇する兵をヨーゼフが促す

ヨーゼフ「……申せ」

兵士A「……ハッ……!
   正門が……
   破られました……!」

ヨーゼフ「⁉」

宰相「殿下は⁉ヨシュア様はどうされた⁉」

兵士A「皇太子ヨシュア殿下は……
   討ち死になされたとの報です……‼」

宰相「……なんとしたことか……あれほどのお方が……」

    ヨーゼフ、場に背を向け遠い視線

ヨーゼフ「……ヨシュア」

   更に兵士乱入
   先に居た兵のとなりで間髪入れず

兵士B「お伝えします!」
宰相「何事か⁉」

   一拍おいてヨーゼフ向き直る

兵士B「カレル殿下ご乱心ッ!」

   ヨーゼフ一歩前に出る

兵士B「防衛されておりました西門を自ら開放!
   民衆を伴い城壁外へ出ていかれました!」

宰相「む  むざむざ城門を開放するとは!将軍共は何をしておったか⁉」

兵士B「メリア兵の猛攻凄まじく!両将軍共に北門南門を離れる事ができません!」

宰相「ぐぬぬぬぬぅ」

   ヨーゼフゆっくり玉座に着く
   たっぷりの間

ヨーゼフ「……
    騒がしいな……」

宰相「陛下……?」

   更に兵入る
   前の二人押しのけ

兵士C「お逃げください!
   城内にも既にメリア兵が……!」

   沈黙
   ヨーゼフ注視

ヨーゼフ「……そうか」


   場面転換



〇城内


   アルディンを操作
   各所でメリア兵とフレーニア兵が戦闘中
 
  
・兵や騎士と会話
「さすがはアルディン!」

「聖絶の英雄!」

「騎士団筆頭は伊達ではないな!」

「私はそなたの活躍を語り継ごう!(セーブ)」等
 

〇王の間 前室


   重装の騎士が扉を守っている

近衛兵「ここは通さぬぞ!」

   戦闘あるいは暗転で次の場面


〇王の間


   玉座にヨーゼフ一人
   歩を進めるアルディン
   手前で止まる


アルディン「……フレーニア国国王ヨーゼフか?」

ヨーゼフ「……如何にも」

アルディン「命を 戴こう……」


   カメラ上方にスクロールしながら場面転換




   『ベルナデッタ』   



〇城下町

   ベルナデッタが彷徨っている
   表記「城下の娘」


城下の娘「お父様~
     お父様~?」

   すれ違う人に尋ねる

城下の娘「もし 父を見ませんでしたか?ゲオルグというのですが……」

若い男「ゲオルグ?……あの本屋さんか!
    すまん!会ってない!
    あんたも早く逃げろ!」
   
   若い男、走り去る

   走っている他の男に声をかける

城下の娘「すみません 父を……」

   男、走りながら叫ぶ

乱暴な男「邪魔だッ!ばかやろう!」

   突き飛ばされる娘

城下の娘「……ああ
    お父様……一体どこへ」

   おばさん、画面に入ってくる

おばさん「ベルナデッタ!」

   おばさん、ベルナデッタに駆け寄る

ベルナデッタ「アンナ小母様……」

アンナ「ああ ああ やっぱりベルナデッタじゃないかい!
   遠くから金色の綺麗な髪が見えたからもしやと思ってきたら!
   ああ!こんなに汚れてしまって!
   まったく!
   今のはヒドイ男だね!
   きっと天罰が下るよ!
   ああそれにしてもベルナデッタ!よく無事で‼
   この辺りももうメリア兵が……
   ああ!そうだ!こうしちゃいられない!
   逃げるんだよ!ベルナデッタ!
   さ 立って 立って!」

   アンナ、走り出す
   ついて行こうとしてすぐ立ち止まるベルナデッタ
   気づいて戻るアンナ

アンナ「どうしたんだい⁉足でも痛めたのかい⁉」

ベルナデッタ「小母様……お父様をご存知ない?」

アンナ「ゲオルグさんは……
   そう!王子様が西の門を開いて下さったそうだから
      大勢みんなそこから逃げ出してるそうだよ!
   ゲオルグさんなら王様のおぼえもいいから!大丈夫!
    きっと王子様のお手伝いをしていて そうだね 町の連中を逃がしてるよ!
   だからアンタ!こんなとこにいちゃいけない!
   ゲオルグさんが心配してるよ!」

ベルナデッタ「え ええ?」

アンナ「そう!そうだよ!そら行くよ!」
  

   ベルナデッタを引きずって退場

   転換



 『王都脱出』



〇城壁 西門前


   サルマーンと、ナーゼルヘムが会話している
   周りには数人の兵士

   サルマーン 「太めの騎士」
   ナーゼルヘム「とぼけた騎士」


太めの騎士「ふーむずいぶん逃げられてしまったようだな」

とぼけた騎士「まったく そのようだな」

太めの騎士「……
      ……ナーゼルヘム!ここは卿の管轄のように記憶しておるが?」

ナーゼルヘム「おや?
      そうであったか?
      これはなんとしたことか!」

太めの騎士「とぼけるでない!まったく……」

ナーゼルヘム「いや いや 
      だからこうして貴公の追撃隊の帰りを共に待っているではないか」

太めの騎士「…………」

ナーゼルヘム「……しかしな
      この西門は我らが包囲しきる前に開いてしまったのだ
      これはもうどうしようもないのではないか?
      いやはや よもや内から開くとは思いもよらなんだ」

   太めの騎士、身を震わせる(ぶるぶる)

太めの騎士「うむむむむぅ……
     反省が見えぬわ!」

   太めの騎士ぶるぶる

ナーゼルヘム「おや?
      あそこに見えるはアルディンではないか?」

太めの騎士「む?英雄殿か⁉」

   太めの騎士、その方向を見る
   その間にナーゼルヘム逃げ去る

   太めの騎士、気がつき振り返る

太めの騎士「あこら!まだ終わっとらんぞ‼」

   アルディン画面に入ってくる
   太めの騎士、アルディンに向き直る

太めの騎士「おお!……アァルディィン!
     筆頭騎士!
     聖絶の英雄!
     メリアの誉れよ‼」

アルディン「サルマーン健勝だな
     だがその呼び名はやめてくれ!」

サルマーン「フハハハハッ!照れるな照れるな‼
     全て事実だ!此度の聖戦は貴様なしでは語れぬわ!
     フハハハハ!」

   アルディン、隣に立つ

サルマーン「まったく手柄をすべてもって行きおって!
     にくいヤツだ!」

アルディン「聖主のご遺志によるものだ……
     手柄などではないわ……」

サルマーン「フハハ!この堅物め!貴様のそこがにくいわ!」

   物陰で動く人影
   気づくアルディン

アルディン「ム‼」

乱暴な男「しまった!ちっくしょうめ!」
   
   逃げ出す男、兵士達が追いかける
   続こうとするアルディンをサルマーンが押しとどめる

サルマーン「フハハ独り占めするでない!待っておれ!」

   画面外に走ってゆくサルマーン
   それを見送るアルディン

   しばし間

   アルディンの背後から姿を現すアンナ
   城壁沿いにカニ歩き、少し進み後方に合図を送る
   やや間があってベルナデッタ登場
   カニ歩きで門を目指す(アルディン正面に向き直る)
   少し遅れてついていくベルナデッタ
   アンナが先行し城門をくぐる
   ジャンプ(合図)してベルナデッタを呼ぶ
   ベルナデッタの位置はアルディンの真後ろ

   ベルナデッタ一歩ずつ歩き出す

   絶叫(乱暴な男の断末魔)

   驚いて飛び上がるベルナデッタ
   気がつき振り向くアルディン

アルディン「むッ⁉」

   アンナ驚いて連続ジャンプ
   ベルナデッタ腰がぬけて動けない

   ベルナデッタにゆっくりと近づくアルディン
   動揺してグルグル回るアンナ

アルディン「……クルキスナ教徒だな
     見逃すわけにはいかん」

   ベルナデッタに隣接する

ベルナデッタ「…………
      ……ご慈悲を……騎士様……」

アルディン「……
     ……祈るがいい」

ベルナデッタ「…………
      ……神よ……
      ………………」

   長めの間

アルディン「……
     ……
     ……」

   アルディン、背を向ける

ベルナデッタ「……騎士様……?」

アルディン「…………
     気が変わらんうちに行け……!」

   一間おき、歩き出すベルナデッタ
   一歩進んでアルディンを振りかえる
   城門の外へ駆けだす
   アンナと共に画面外へ

   
   間


   走り去った方角を見るアルディン

アルディン「……………………」
   
   アルディンにサルマーンが近づいてきて声をかける

サルマーン「アルディン」

   アルディン振り返る

サルマーン「見ておったが……
     ……何故逃がした?」

アルディン「……むぅ」

   正面むく

アルディン「……
     ……
     ……あの娘の相貌に聖祖を観た」

サルマーン「!
     まことか……?」

   サルマーンも正面むく
   暫く沈黙

サルマーン「貴様が云うならば余程なのだな……?」

アルディン「うむ……
     不覚だ……邪教徒を斬れなんだ……!」
   
   サルマーン、アルディンに向き直る

サルマーン「……フハハ貴様らしい!
     聖祖を観たとあっては俺にも斬れん!
     ……よかろう!
     この事はオレの胸に秘めておこう!」

   アルディンも向き直る

アルディン「……すまぬ」

サルマーン「貸しだぞ?英雄殿!フハハハハッ!」
   
   共にその場を去る

   転換


   『エイディミール湖畔』



〇エイディミール湖畔(夜)


   逃げ延びた人々が休息している
   アンナとベルナデッタ到着
   そこに男がやってくる


若い男「ああ あんたは確か本屋さんのお嬢さん!
   あんたも無事逃げて来られたんだな!」
   
   辺りを見まわすベルナデッタ

ベルナデッタ「……あのぅ こちらで父を見ませんでしたか?」

若い男「本屋のゲオルグさんだろう……?
   いや……ボクは見ていないなぁ……」

   落ち着かないアンナ

若い男「他の人にも聞いてみたらどうだい?
   ボクも見かけたら教えるよ」

   若い男去る

アンナ「そ そうよ!ベルナデッタ!ゲオルグさんはきっともっと先に行ってるのよ!
   さあさ 私達も先に進みましょう!」

   引っ張るようにして進んでいく

   悲鳴

「メリア兵だー!」

   若い男走ってくる

若い男「メリア兵が追ってきたぞー!逃げろー!」

   次々と逃げていく人々

「逃げろー!」

アンナ「ああ!ベルナデッタ!私達も逃げましょう!」

   前方でまた悲鳴

男の声「ヒッ!ヒィイイ!ク クロコッタだ!」

町の人「この辺に出るような獣じゃないぞ⁉」


町の人「なんてこった!きっと血の匂い誘われてきたんだ!」


   再び若い男がやってくる


「魔獣の群れだ!囲まれるぞ!逃げろー!」


   反対方向に走っていく


   若い男、逃げた先の画面外から突き飛ばされてくる
   そのまま死体に

   メリア兵登場

   人々も反対方向から逃げてくるが立ち往生する
   BGM停止無音
   動き緩慢にメリア兵が接近してくる
   幾人かが斬られる

   ベルナデッタの前で止まるメリア兵
   アンナがメリア兵に挑みかかるが斬られる
   メリア兵、ベルナデッタに向き直る


「わああーーーー!」

   雄叫びとともにキアラが飛び込んでくる
   振り向くメリア兵に飛びかかるキアラ

   キアラ、メリア兵を弾き飛ばしBGM復帰

   次々と飛び込んでくるフレーニア兵
   ディーン、オーサもメリア兵を蹴散らす


   前方の兵

兵「クロコッタだ!群れてやがる!」

キアラ「退路を確保しろ!ここは抑える!」

   数人残していなくなる兵

   また出現するメリア兵
   格闘


   喧騒の中、アンナを介抱するベルナデッタ

ベルナデッタ「おばさま!おばさま!しっかりして!」

アンナ「……ベルナデッタ?
   無事かい……?
   ……
   ゲオルグさん……
   本当はね……」

ベルナデッタ「おばさま!
      ……分かってるわ!お父様のこと ほんとはわかってる!
      ……しっかりして!」

アンナ「賢いこだねぇ……
   ごめん……なさ……ね……
   ……にげ……なさ……ベル……
   ……」

ベルナデッタ「おばさま……!」


   戦いが続いている

   フレーニア兵戻ってくる


兵「退路を確保した!」

   キアラ ベルナデッタを一瞥

キアラ「市民が逃げる時間を稼ぐ!続け!」
   
   キアラたち走り去る
   残されるベルナデッタ
   
   間


「……
……にげなきゃ」
   
   程なくして歩き去る
   
   転換

3 件のコメント:

  1. argus ver2ですが、ラグシルトの穴右手から奥へ進み、最後の分かれ道を下に行き、2マップほど進むと、マップ切り替え後に自キャラが壁の中に出現します。
    お手数ですが確認お願い致します。

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    1. 大変申し訳ありませんです、確認いたします……。

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    2. たいへん失礼しました。ver2.01で修正いたしました…
      よろしくお願いいたします。
      https://www.freem.ne.jp/win/game/7847

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