2014年5月27日火曜日

20世紀後半から21世紀初頭のフリーゲーム


「思い出深いJ-POP」というお題で曲名を書き出すと、おおむね1997年から1998年の作品に偏っているように、「思い出深いフリーゲーム」を書き出したら、1998年から2001年までの間に偏りました(まあ、このあたりの時期にしか活動してなかったので当たり前と言えば当たり前か)。
記憶をたぐってみたら、意外に数が出たのでまとめてみました。


・Belive it or not(ビリット) Cho-yaさん(2001.7)
2000年代初頭に、ものすごく「こういう空気」の時代というのが一瞬あって、それをバットの芯で捉えた感のある一作。なんだか、この世界で、この登場人物が、この設定で動いている理由がよくわからないところがスタイリッシュ。
「ツクールらしくない」と評されるのは、「なにかをベースにしていない」という、そのあたりのような気がします。タイトルは「信じようが、信じまいが」という意味だそうです。主人公は、おかま。
http://www.famitsu.com/freegame/2000/0007.html


・こんな二枚目いやだ! Cho-yaさん(1998.10)
これもCho-yaさんの。ちょっと前、ツイッターのタイムラインに「うんこゲー」という単語が多く見られる時期があったのだけど、こういうゲームがいっぱいエントリーされているのかと思うと、軽いめまいさえ覚えるのでした。
上の「ビリット」と併せ、どうして誰も語り継いでいないのか、ものすごく不思議。すぐにやるべき。
http://www.famitsu.com/freegame/95/0012.html


・RIN RIN ゆわかさん(1998.6)
ネットの世界で初めて「カキコ」をした「ツクールの部屋」っていうホームページには、当時いろんなツクラーさんが来ていて(Cho-yaさんもいた)、その中の一人がゆわかさんだった気がします。
「僕がネット上で活動を始めたころから一貫して存在しつづけて(ゲームを作って)いる」という点で、ゆわかさんと鎌田翔己さんは、なんとなく「神話の時代から」というような別格感がないでもない……。
http://www.famitsu.com/freegame/95/0028.html


・寅井さんちのツトム君 K feat. I and Yさん(1999.6)
当時、「泣けた」と評判の。ホントのところを言うと、僕はちっとも泣けなかったのだけど、ツトム君の趣味として「バイクで峠を攻めること」というのがあって、その一点を以て、僕は彼と仲良しになれそうな気がしたのでした。
それにしても、名も知らぬ「普通の人」の紡ぐ物語に涙できる(お金を払わなくてもよい)って、ちょっと未来を感じたものです。
http://www.vector.co.jp/soft/win95/game/se439959.html


・江戸架空遊戯「浪人者」 紫苑さん(2001.6)
前作「SERAPH eau rouge」と同期?のゲーム。……ということで、作者の人とはいろいろ感想のやりとりをしました。
ヒロインが敵にさらわれたあと、「何をされたのかは聞かないでくれ」みたいなことを言っていたような覚えがあり、いったい何があったのか、ものすごく気になりました。
僕らがすっかりエターナラーの道を歩んでいる隙に、続編も出ました。
http://www.famitsu.com/freegame/2000/0067.html


KNight Blade 水車蹴りさん(1999.6)
「ツクール95」はものすごく使い勝手の悪いツールだったのだけど、その中でいろいろと可能性を示していた、エポックメイキングな一作。ツクール95といえば、これかムンホイか、というレベルで有名(そこに並びたいと思ったことはある)。
男の子だったら一度は憧れる世界がすべてここに入っている感じ。世紀末らしいスタイリッシュさが印象的(ビリットのスタイリッシュさとは違う)。
Wikipediaの記事で、なぜか「正しい表記」について触れられていたので、それに準じました。
http://www.famitsu.com/freegame/95/0006.html


・夜明けの口笛吹き 奥山キイチさん(2003)
いやはやおったまげた一作。ゲームとしてものすごくおもしろいとか、そういうことではないのだけど、どうしてこんなに心に残るんでしょう。
ひたすら難解な物語の中に思わず胸が熱くなる展開があったり、フワフワしたBGMの中に突然アツい戦闘BGMが差し込まれたりと、ものすごく手玉に取られた感があります。
もうほとんど「ゲームつくるのやーめた」の頃にやったような気がするけど、これをやらなかったら、今回の新作を作ろうとは思わなかったでしょう。
http://kiiiichi.sakura.ne.jp/yoake.html

2014年5月5日月曜日

生演奏SERAPH

ゆきつぐ氏が前作「SERAPH」のことを書いていたりするので、僕の脳裏にも、いまでは忘れたいようなあれこれが浮かび上がってきてしまいました。

過去の創作物はたいてい「黒歴史」になってゆくものですけど、その中でも一、二を争うほどの「黒歴史」が「生演奏SERAPH」かもしれません。
この録音のライブ、横浜の飲食店での演奏という2回を経て、僕は「もう自分の曲を演奏するのはや~めた!」と思ったわけです。
作曲者として、編曲者として、演奏者として、自分が考えていた以上にどーしよーもなかったと痛感したからなのですけど、せめて「こらえ性」というスキルでも持っていたら、もしかするといま、もうちょっといいものをお聴かせできたかもしれないですね……。
メンバーにはマジで迷惑かけました、本当に……。

とまあ、暗黒思考をご披露してみたわけですが、10年以上経って聞いてみたら、前よりちょっとだけ許せるようになっていた気がするので(演奏者としての僕のウデが格段に衰えたこともあり)、それでもなお許せない部分をサックリと削った上で、アップしてみました。

・Bleeze, over the forest(ダンジョン)

・Dancer in the chaos(メドーサ戦)

・Angelic Note(エンディング)

優しい気持ちを持って聴いて頂ければ幸いです。
ちなみに、ソプラノとアルトの人はいまプロとして活動していて、テナーの人は渡米したと風の噂に聞き、バリトンの人が僕です。